泣いてると思ったのに、どうして、笑ってるんですか。


思いきり振り返ると、腕を引っ張られ抱き締められた。


みんながいるのに恥ずかしい。


「千比絽、行って来い。」


そういって、唇にキスを落とした。


恥ずかし過ぎて泣きたいです。


こんなの私らしくないもの。


あれ、みんながいなくなってた。


「バーカ、俺はみんながいないの確認して、キスしたんだよ。それともみんなの前でしてほしかったか。 」


西條先輩がこんな人だとは思わなかった。


西條先輩といると、ドキドキが半端なくて、本当にヤバい。

これじゃ、恋する女子じゃん。


「小林医師の言う事聞いて、あまり無茶しないで下さいよ。」


西條先輩が優しい笑顔を向けた。


「分かってるって、彼女の言うことは真面目に聞きますよ。今度千比絽に会う時は、千比絽を抱けるぐらい元気になってるよ。」


真っ赤な私を見て、又笑う西條先輩。


彼女じゃないし。


でも、元気でいてください。


ずっと、ずっと元気でいると、約束して下さい。