みんながいる前で、西條先輩が私の髪に触れた。


何するんですか。


みんなが見てます。


「髪が伸びて少しは女子ぽくなったな。俺はロングが好きだから、髪伸ばしてほしいけど。」


そんなの無理です。


何ですかその女子ぽいって、私はれっきとした女子です が。


「そんな顔をするなよ。お守りありがとうな。お守りがあったから俺は頑張れた。これは返すよ。」


私は首を左右に振った。


そのお守りは西條先輩を救ってくれたから、ずっと持っててほしい。


「お守りは西條先輩が持ってて下さい。その変わりに、私が西條先輩のユニホームを着てもいいですか。」


西條先輩が嬉しそうに頷いた。


何処までも西條先輩と一緒です。


「千比絽ありがとう。俺も一緒に甲子園行けるんだな。」


西條先輩が泣いてるのが分かったから、振り返るのをやめた。

西條先輩、一緒に甲子園に行きましょう。


身体は離れていても、心はずっと一緒です。