西條先輩は暫く入院生活が続く事になった。


今日私たち江南高校野球部は甲子園へ向かう。


「千比絽は本気で俺を置いてく気なのか。」


もう、何度も言わせないで下さい。


「子供みたいな事言ってるんですか。みんなに笑われますよ。」


甲子園へ向かう途中、野球部全員で西條先輩の病室へ寄った。


「庄一、俺の千比絽に手を出すなよ。」


ま、不味い。


「なんの事だ。」


あれは私の嘘なんです。


西條先輩が小山主将に嫉妬して、目を覚ましてほしいと思ったから。


小山主将ここは触れないで。


「俺が千比絽に何かしたのか。俺は男女には興味ないよ。」


又、そんな事いって。


それは失礼ですよ、小山主将。


完全に嘘がばれた。


「ならいいんだ。俺ぐらいだよな。男女がすきなのは。」


西條先輩まで、そんな事言うなんて。


もう知らない。


西條先輩なんか無視だ。


「弘也行って来るよ。おまえの思いを必ず形にしてくるから、ここから応援してくれ。」


泣かずに待ってて下さい。


良い子でいてくださいね。


行って来ます、西條先輩。


このバックの中に西條先輩のユニホームを入れた。


背番号1のユニホームを一緒に連れて行きます。