身体中が痛くて、雨と泥で直ぐにでもシャワーを浴びたいが、シャワーを浴びるのは一番最後だ。


寒くて身体の震えが止まらないのを、唇を噛みしめ必死に絶えた。


「おいおまえら、先に千比絽にシャワーを貸してやれ!」


西條先輩止めてください。


「私は一番後でいいです。」


本当にいいんです。


「いいから先に浴びろ!」


え、今の声は小山主将。


露骨にやな顔をされた。


「だから嫌なんだ、女子は本当にめんどくさい。」


小山主将を睨み付けた。


最後で良いと言ってるのに。


「まだ強気なんだな。先にシャワーを5分で済ませろ。」


5分なんて、絶対無理だ。


でも、無理だとは言えない。


分かりました。


「5分過ぎたら、俺がシャワー浴びに行くからな。」


はぁ、なんなんですか。


本当に口うるさい男だ。


「分かりました、5分で終わらせます。」


急いでシャワーを浴びた。


シャンプーで全身を洗う。


「千比絽、髪乾かせ。風邪ひくぞ。」


え、又小山主将の声だ。


小山主将が優しいなんて、おかしい。


一応お礼を言った。


「ありがとうごさいます。」


小山主将に頭を下げた。


優しい小山主将は何だか、怖い。


この後、絶対何かが起きる。


そんな予感がして、体が震えた。


このままじゃ、風邪をひいてしまう。