西條先輩の応援に必死になってる、自分が可愛くて笑えた。

手を握りしめ、必死に祈る。


後少し、もう少しだけ力を下さい。


マウンドにいる西條先輩だけを見つめた。


そこだけがスローモーションのように動く。


三振を取れば、江南高校の優勝。


「千比絽凄いね、甲子園だよ、甲子園へ行けるんだよ。」


我に返ると、次の瞬間歓声が上がる。


何が起きたのか分からずにいると。


「千比絽、優勝したんだよ。西條先輩凄いね。全試合投げきったんだよ。」


真央の言葉と当時に、応援席を飛び出した。


マウンドに駆け寄る。


私を抱き締めたまま西條先輩が倒れた。


「誰か救急車呼んで。西條先輩が死んじゃうよ。」


私もそのまま意識を手放した。


西條先輩死なないで。


私を一人にしないで。


お願いだから、生きていてください。