決勝戦当日、西條先輩は見た目は元気に見える。


顔色も昨日と比べたら悪くはないかも知れない。


一瞬、西條先輩の病気を忘れそうになるが。


そう思えてしまうほど、今日の西條先輩は元気だった。


だから、大丈夫。


この一試合を勝ち抜けば優勝が決まる。


そして、甲子園へ行く。


みんなの夢と希望を乗せて、今日も西條先輩は投げ続けた。


だから、絶対大丈夫、何回も自分にいいか聞かせる。



その時、カキーンと相手校が打った。


え、嘘、9回表に入れられた。


後、少しだったのに。


悔しくてたまらない。


9回の裏は、どんな事しても守り抜かなくていけなくなった。

ここまで頑張って来たのだから、後一試合守りぬけばいい。