私は西條先輩を思い切り殴ってやった。


私もバカだけど、西條先輩はもっとバカだ。


「千比絽、痛いだろ、悪かったよ。千比絽が可愛いくて、つい。」


何を言ってるんですか、こんな大事な時に。


もうやだ、やってられない。


本当にバカバカしくて、思わず笑ってしまう。



「やっと、千比絽が笑った。」


なに、ふざけた事を言ってるですか。


もう、本当にやだ。


「私がどれだけ、心配したかわかりますか。」


「千比絽が好きだよ。」



そう言って、又、西條先輩が私の口を塞ぐ。



涙で顔がグチャグチャで、訳が分からなくて、だけど、條先輩のキスは嫌じゃなかった。


西條先輩は本当に狡いです。


何処かで駄目だと思いながらも、自分が西條先輩の立場だったら、必ず同じ事をしたと思う。


野球バカは治りそうもないですね。