「俺、昔荒れてたんだ。だから、毎日のように女と遊んでた。でも、付き合ってはなかったんだ」
「何で荒れてたの??」
「そんとき親父達が喧嘩してたんだ。で、親父は他の女のところに行って、帰ってこなくなった。お袋は飲んだくれになった」
「それで・・・」
「あぁ。俺の事なんて誰も見てくれなかった。親父もお袋も親戚も、女も・・・。でも夏姫とであって俺は変わった。夏姫の純粋さに惹かれていったんだ・・・。俺はそれから女と遊ぶ事はなくなった」
「私に出会って?」
「そう。だからあの日この公園に来て夏姫に告白した」
「ゴメン。私何も知らずに酷いこと言って、零をたくさん、たくさん傷つけたね・・」
「いいんだ。話さなかった俺が悪いんだから」
私と零の距離はこんなに遠かったんだね・・・。体は近くにあるのに、心はすごく遠い。私達はお互い何も知らなかった。零はどんな風に思ってる?私、零のこと本当に好きなんだよ。零はどれくらい私のこと好きなのかな?
「零、泣いてもいいよ」
私は自分で言ったのに、自分でびっくりしていた。でも、零があまりにもかわいそうだったから・・・。
「ゴメン・・・」
零の声が震えている。零は私の腕の中で泣いた。私も悲しくなり、一緒に泣いた。

・・・どれくらいたっただろう。私たちの目は真っ赤になっていた。
「零、目真っ赤だよぉ~。ウサギみたいww」
「夏姫も真っ赤だし」
そして2人して笑った。零といると和むなぁ。