「バイバイ夏姫♪」

その日私は、まだ教室に残っていた。
親友の美由が先に帰ってから、私はボーっとしていた。

佐倉夏姫。高校1年生。
私は今まで好きになった人がいない。
気になったりスルのはあったけど、いつもその程度で終わっていた。
でもこの日、私の心を奪う人がいたなんて考えてもなかった。

―・・・カラカラ・・・
教室のドアが静かに開く。
(美由??)
そう思って私の目線は教室のドアのほうにいく。
そこには福嶋裕二君が立っていた。
私と同じ1年生で同じクラス。皆の人気者☆

「どうしたの?忘れ物??」

「いや・・・ちょっと話しいいか??」

「いいけど」

「急に迷惑かも知んないけど前から佐倉のこと好きだったんだ。
 もし良かったら俺と付き合ってくれない??」

「え・・・何で私なの?私きれいじゃないし、可愛げもないし・・・」

「でも俺は佐倉がいいんだ」

「理由は??」

「そんなのイラネーじゃん。スキってことに変わりはないんだから」

「えっと・・・。ちょっと考えさせてくれる?明日必ず返事出すから」

「分かった。じゃあしたな!」

「ウンバイバイ」

私は家へと帰っていった。

―その日の夜。
私はずっと考え込んでやっと決めた。
明日は朝一に教室に行かなきゃ行けないので今日は早く寝た。

そして次の日。

「おはよう。返事もう言ってもいい??」

「あぁ」

「福島君は皆からの人気者で女子からも人気高いじゃん?
 私もね友達の話聞いてて少し気になってたの。
 でもそれ以上の気持ちにはなれなかった。
 だけど昨日の告白で分かった。私も福島君のこと好きみたい」

「マヂで?!よっしゃー!!」

「えへへ///」

ぎゅっ・・・

突然静かになり、彼は後ろから優しく抱きしめた。

「ありがとう佐倉」

「ねぇ、福島君、佐倉じゃなくて夏姫でいいよ?
 わたしも裕二って言うから」

「分かったよぉ。な・つ・き!」

そして私たちは笑いあった。

 ―幸せ―