「いつから‥ですか‥?」



そう訊く僕の声はかすれ、微かに震えていた。

きっと、
聞き取りずらかったのか、少し間を置いてから



「一週間ほど前からです」



と、静かな口調で
答えてくれた。



「一週間前って…、
天海さんは…
莉緒さんは、何も…」



「あなたには‥
瀬良さんには
心配かけたくから と‥。だから私にも ずっと、
瀬良さんには伝えないで
ほしいと‥‥」




悲しくも優しい言葉が
僕の心の奥深くに届き、
やがて、
涙となって溢れた。



「莉緒さんの‥病気は‥?」


震える声で訊く僕の耳に、弱々しく、
か細い声が聞こえた。







### 「白血病です‥‥」 ###