顔を上げた僕と目が合い、彼女はニコッと笑うと、

「隣‥、座っても
いいですか?」

と、僕の隣の席を小さく指差した。

「えっ‥あっ‥
ど‥どうぞ‥!」

恋に落ちたドキドキで、少し声をうわずらせながら、僕は隣の席まで散乱していた自分の荷物を慌ててよかした。

「ありがとうございます。 ごめんなさい、
勉強中だったのに‥」

彼女は申し訳なさそうに
笑うと、静かにイスへと
腰かけた。

「いえ‥、
別に大丈夫です。
勉強という程の
ものでもないし‥」

照れ笑いというか、単に顔がニヤけてるというか‥、どちらとも とれる顔で、
僕は彼女に笑った。