海斗に・・・

誕プレ買わなきゃ・・・!

全力疾走で走るうち。
「・・・ッ・・・ッた!!」
途中、坂道でコケてしまった。
「痛ぅー・・・ッ」
左の膝からは血がドクドクとあふれている。
こんな傷・・・
舐めりゃどうにかなんだろ!!
鉄の味のする膝をしばらく舐める。
そしてすぐ立ち上がってまた走り出す。


着いたのはイトヨーカドー。
誕プレに相応しいモノを探していた。
探している途中、膝が痛かったけどシカトした。
探し始めて、15分。
スゴくキレイなモノを見つけた。
それはガラスのくま。
赤や紫、青に黄色と12色もある。
ガラスのくまにはそれぞれ1~12月まで数字が書かれている。
「えっと、5月は・・・・・・―――――――あ!」
最後の一つ。色はスカイブルー。
海斗にピッタリじゃん。
えっと、値段は・・・
「\8900」
高っ。




「くっそ。小遣い消えちゃったよ。こりゃ出世払いだな」
片手に海斗の誕プレを握る。
強く、優しく、壊さないように、傷つかないように。
「海斗、喜ぶかなぁ?」
海斗の笑顔が浮かぶ。


―ドッドッドッドッドッドッ・・・

・・・まただ。
海斗って思うと鼓動が止まらない。心臓が喉の奥から出そう。



生まれて、生きて12年。
これが恋慕っていう感覚なんだな。
やっぱり、うちは女のコだ。
だから海斗を・・・







海斗を・・・・・・











このとき、物凄い何かに襲われた。



なんか、苦しい。