『先生っ!!有紀ちゃんの容体が
――…急変しました!!』
周りでは看護師達が
バタバタと騒いでいる。
うるさく鳴り響く機会の音に
横で泣きじゃくる
お母さん―…。
体は苦しくて……
あぁ…あたしもう
死ぬのか...
ありがとう
お母さん、お父さん
みんな――…
それと..
ごめんね、誠…。
こんな弱い私を許してね…
数年前――…
『ゆき、ずっと誠君と
一緒にいるぅ~!!』
夕方の公園、砂遊びしながら私は毎日
公園に来る男の子、誠君にそう告げた。
『じゃぁ僕がず―っと
有紀ちゃんを守ってあげる!』
『ありがとう!誠君大好き!』
けどすぐに誠君は
公園に来なくなってしまった。
誠君――…。
けどこの事はあまり気にも
止めてもいなく記憶の片隅に
ぽつりと置いてあるだけだった。
あれから時は経て
春、私は高校生になった。
知り合いが少ない高校に
入学したため友達が出来るか
どうか――…。
入学は喜びよりも
不安の方がでかい。
クラス別の紙を見る。
『はぁ~違う高校に
行けば良かったなぁ~…。』
やっぱり知ってる人は
少ないし――…。
私、人見知りだから
友達出来ないかも!!
ってことは高校生活ENJOY
出来ないってこと!!??
いや~~!
重い足どりで教室へと向かう。
教室には生徒の3分の2は
いるのにっ…
し――ん――…。
うわっ何ここ!!
みんなお葬式に来てるわけ!?
静か過ぎでしよ!?
静かな教室。
ただ私の足音だけが響いている。
『うわッ――――!!』
バッコ――――ンッ!!
急に誰かに足を引っかかれ、
床にズルッと転んでしまった。
『痛たたっ――…た』
頭軽く打ったし、
まだ新しいぴかぴかの
制服はちょっと汚れたし!!
知らない人ばっかりの
前でこけたから恥ずかしいし
もぉ――――ッ!!
なんなの!!??
『ふふっ―――んふっ…っ』
背後から笑いをこらえる声が
聞こえてきた。
これは絶対はどっかの
乳臭いガキがイタズラ
したんだな――…怒。
ブチッ――…
そう考えると私の中の
何かが切れた。
『あん!!??誰だよ!
足引っかけた奴はよぉ!!』
自分でも思うが女のくせに
言葉遣いが荒らすぎる。
『ハハハッ!
良い度胸してんなこの女!』
振り返るとそこにいたのは
見るからにヤンキー風な男子だった。
正直ちょっとビビったけど
所詮こいつだって同じ高1…。
びくびくすることないはず――…。
『ってか足わざと
引っかけたでしょ!?
私あんたになんかした!?』
しまった――…。
人見知りのくせに切れると
べらべらうるさくなる自分が
現れてしまった。
『ははっ!おい、
面白しろい女いるぞ―。
こけただけで
ブチ切れてんの~』
そのヤンキー男はそう言って
自分の仲間らしき人を呼んだ。
3人…4人とうざそうな男が
私の前に集まってくる。
ヤバイ――…!!
高校生活初日にしてピンチかも!?