しんと、病室が静まり返った。



みんな、偉槻の声に耳を澄ましている。



自分の心臓がうるさいくらいだった。



「…ぁ…。」


「あ?」



茉理子はイライラと顔を近づける。



「…ち……か…。」



ちか?



どくんと、脈打った。



茉理子の顔が引きつった。



「ちか…や…。」



茉理子はバッと身体を離した。



看護師は驚いて誓耶を見る。



「貴方の名前?」



誓耶は信じられない気持ちで頷いた。



茉理子がぶるぶる震えながら、誓耶を睨んでいる。



と、いきなり足音が近づいてきて、健が飛び込んできた。



「健…?」



はぁはぁと息を切らし、健は「よっ」と誓耶に手を上げた。



「どうして…。」


「あ?
偉槻になんかあったら俺に連絡がくるようになってんの。」



なるほど。



そういえば二人は親友だった。