偉槻と連絡がつかない。



メールは無視。



電話も出ない。



どうして?



誓耶はパニックになって、部屋を歩き回った。



「誓耶ちゃん、落ち着いて…。」


「放せ!」



心配しておろおろしている叔母を突き飛ばし、誓耶は爪を噛む。



何があった?



先週まではこまめに連絡をくれていたのに。



今週に入ってぱったり連絡が途絶え、こっちからかけても繋がらない。



不安で仕方ない。



誓耶は部屋を飛び出した。



すぐさま叔母が追ってくる。



「誓耶ちゃん、どこ行くの!?」



リビングのほうで、叔父が怒る声がした。



叔母が何か弁解して、また追いかけてくる。



靴を乱暴に履いたとき、肩にコートが着せ掛けられた。



「出かけるんなら、あたたかい恰好をしていきなさい。」



突っぱねることも、礼を言うこともせず、誓耶は走り出した。