二人はなんとか2限の心理学に間に合った。遅い時間に到着したのに、今日は座席が空いている。
「ラッキー。今日座席空いてんじゃん。あそこにしようぜ」
河村が後ろの方の座席に早々と陣取ったので、中川もそこに座った。
「そういやさあ、お前好きな人いないのかよ。余計なお世話かもしんないけどよ、お前人生楽しめてる?」
「まあ人生はあまり楽しくないかな。でも彼女できてもなんか時間的に束縛されんじゃん。俺はそういうの嫌なんだよね」
「やっぱ中川らしいな。でも付き合ってそういうのが幸せなんじゃないかな。自分を必要としてくれる相手がいるってのが良いんじゃない?」
正直な話、俺にはわからないな
中川は心理学の授業も寝ていた。呆れたのか、起きたら授業が終わっており、河村の姿はなかった