プロポーズって。
ついさっきまでの状態からは
想像もつかないぐらい超高速な展開。


「よく考えたたらさ、
俺里沙の事愛しちゃってるし
自分の事も大好きだし?
そんな俺らの子供なんだから
絶対かわいいに決まってるし
ほっとけるわけねーだろってわかって。

したらどうすればいいか
おのずとみえてきたんだ」

「うん」

「それで家に帰った途端
里沙に“結婚しよう”て言ったら
あいつ驚きながらもワンワン泣いてさ。

一人で産んで育てるなんで
平気な顔して言ってたけど
本当は不安で仕方なかったんだなって
やっとわかったよ
……俺バカだから」

「………」

「思い出してみても
昼間はダセエ事言いまくってたし
俺としては
きれいさっぱり忘れたい訳よ。

だからお前も付き合え。
OK?」

「でも」

「でもじゃねーよ、
お前はなんでも難しく考えすぎ。
もっと人生は行き当たりばったり
適当に楽しく生きたほうがいいぜ?」

「あんたは適当すぎ、だよ」


少し気分が浮上して
呆れ気味に笑ってそう言うと
ケンは満足そうにニヤリと頬を緩ませた。


「いーじゃん
今の俺世界一幸せ。
ビバ結婚!
I Love 里沙!!

って事で今夜は祝いだ!
飲み明かすからアキも付き合え!!
ってイテ!」

「テメエは人の家に来て
何わめいてんだよ。
しかも中坊に飲酒をすすめるな」

「わーったよ!
だからって何でお前はいつも
そう暴力的なんだよ。
タンコブ出来たし。

ってあれ?あのテレビ
この前のフェスの?
ヤベー早く言えよ、俺見たかったのに。

ちょっとさビールもってきて
あとツマミもなんか作ってー!!
大至急!」