それから二人でキッチンにたって
一緒にお昼ご飯を作ったんだけど

案の定私は全然役にたたず
ほとんどユウが作った
かなり美味しい
チャーハンと玉子スープを食べた。


その後はこの前やったばかりの
夏フェスのライブ映像が
ちょうどケーブルTVで放送してたから
リビングで何気なく眺める。


壁に寄り掛かって煙草をすい
ブラウン管を見つめるユウに


「ねえ、フリーターって言ってたけど
仕事とか行かなくてもいいの?」

「ああ、いーのいーの。
心配には及ばないからほっとけ」

「まさかあんた
ホストとかじゃないよね?」


昼間からフラフラしてるし
見た目も

……って見た目はホストのわりには
太陽の下が似合う感じだけど。


「ホストかぁ
確かに一回ぐらいやってみたいけど
俺あーゆう男世界の縦関係
苦手なんだよね。

んで、何でいきなりそんな質問。
もしかして俺に興味あんの?」

「ち、違うよ
もしかして私に付き合って
無理してここにいるのかなって。
用事あったりしたら
ほっといて出かけてもいーから」

「ガキが余計な気まわすな。
用事なんかなんもねーし
熱いの大概嫌いだし
こんな昼間っから出掛ける訳ねーだろ。

もしかして俺がいない間に
写真探そうって魂胆もしんねーけど
俺が家に置きっぱなしで
出掛けるとでもおもってんのか?
そうだったら浅はか過ぎて笑える」


そうして煙草の煙を
人をバカにするみたいに
細く長く吐いたから

少しカチンときて
ユウにばれないように
奥歯をギリッと噛み締める。


実は少しだけ
そんな目的もあったから。
……でも


「そ、そんなわけないじゃん」

「あっ動揺してる
やっぱりそっか。
そんなにあの写真が大事かねぇ」

「……大事じゃなかったら
こんなとこで
あんたの言いなりになんかなってない」


――あの写真は
私とケイが共に過ごした
唯一の証拠だから。