「ねぇ、ハルト」

「ん?」


素直に私の方を振り向く彼に
勿体振ったように伝える。


「Deep Endのケイウォーレン
彼私のお兄さんなんだ。
羨ましいでしょ?」

「は?
………え?
えぇ!!?」


初めてかもしれない。

こんな風に目を大きく見開いて
学校じゅうに響き渡るぐらいの
大声をあげるハルトを見たの。


そんな彼にポツリポツリと語り始める。
私の過去と大事な大事なアニキの話。


ねえケイ、覚えてる?


クリスマスの前の日
あの暗がりの部屋で語った私の夢。

“ケイのライブを見る大観衆の最後尾で
隣のファンの子に
あれ私のお兄さんって自慢する”

かなり状況は違うけど
叶ったって言えるんじゃないかな?


……かなりオマケしてだけどね。