その後もユウキの部屋のベッドの上
オレンジ色のスタンドライト。

そのほのかな明かりが灯る暗がりの中
お互いの存在を確かめ合うように
二人、たくさんキスをする。


合間にユウキが耳元で囁いて。


「アキ」

「ん?」

「春になったら一緒に暮らそうか?」

「え?ここで?」

「ちげーよ、東京で」

「東京って……」

「お前あっちの高校受験すればいいし」

「本気で言ってる?」

「当り前だろ、百パー本気」

「……でも」

「大丈夫俺絶対ビッグになるよ。
お前のこと守ってやれるくらい」


歌ってる時は
周りの人間全部敵みたいに
身体じゅうにトゲ張り巡らせてるのに

こういうときのユウキはかなり
甘くて、あったかくて、太陽みたいで
その熱で身体中とろけていくような。


全然違うのにどっちもユウキで
どっちの彼もドキドキする。


彼の匂いに包まれて
温かい光に照らされてると
胸の中が暖かくなって

ケイと別れて初めてってくらいの
穏やかな気持ちで
心の中満たされてくの感じてた。


ユウキの肌の温もりが気持ち良くて
彼の大きな胸に抱きしめられて
その日は深い眠りに落ちた。

こんなにぐっすり眠ったのは
すごく、すごく久し振りかもしれない。