予想できない話の展開に
目を白黒させると
ユウキは砂浜に立って腕を組みながら
ニヤリと余裕そうな笑みを見せる。


「そう、そーゆー意味。
なんならお前の保護者んとこ
許してくれるまで通い詰めるし。
それぐらいへでもネーよ。

俺もあんまり家族には恵まれなかったから
あったかい家庭っつーの?
結構夢だったりすんだよな」

「な、……ええっ!?
そんなの……だって私達
まだ会って少ししかたってないっ!」

「お前はそうでも俺はお前の事
ずっと前から知ってるし。
別にいきなりでも血迷ってもないよ。

……だってさ、もう駄目なんだ。
俺お前の歌あんとき聴いちまったからさ。
そん時からきっと
俺お前にイカレてる」

「……えっ!」


そんなセリフ
……ドキドキしない訳ない。


それでもまだ頭が全然ついていかず

膝はガクガク、
血の流れがおかしくて
もう立っていられそうもない。


バシャンって
海の中崩れ落ちそうになる私
ユウキが水音を激しく立てて
海の中に入って来て
身体を引っ張り上げてくれた。


触れられた腕
それにすぐ側で見つめられて
全身が熱くなっていく。


「ハハッ超顔真っ赤。
こんだけ暗くてもよくわかるし。
どうした、そんな顔して」

「……だってあの時
私まだ子供だった」

「ああ、別にそんなん関係ねーよ。
俺だってガキだったし。
でもお前は今15だし、
俺は19だし何の問題もねーだろ」

「私の事ガキだって言った……」

「あんなん嘘に決まってんだろ。
本当はこうやって
触れたくてたまんなかった」


そうしてユウキは私の腰引き寄せ
逆の手は頬の涙の跡そっと拭ってくれた。


身体がピクリと震えて熱くなる。


彼の温もりが近すぎて
パニック状態のまま
目の前の黒いTシャツを凝視した。


だって今上向いたら
きっとユウキと目が合って
そんなの絶対堪えられない。