――こうして
私のカナダでの生活は終りを迎え
私は日本に戻り
叔父の家で生活をしてたわけだけど

やっぱり毎日辛くて
しばらくは泣いて過ごしたりして。


すると届けられた一枚の写真。

あのクリスマスの一ヶ月前
写真にはまり出したフィルに
半ば強引に取らされたもの。


手紙もないし
差出人も何も書いてなかったけど
マイクが送ってくれたって
宛名の字でわかった。


写真の中のケイの笑顔と
マイクのやさしさにまた涙が溢れた。


――実はケイと別れたあの日
一つだけ彼に聞きたかった事がある。


そんな事聞いても意味がないし
ケイが悲しむってだけだって
わかってたから
必死でその言葉飲み込んだ。


でも今でもふと頭を過ぎる。


ケイ、もしもあの夜
私が『歌いたい』なんて言わなかったら
今ある未来も
違ったものになってたのかな?
……なんて。