バンッ!!!


「何やってんだお前ら」


その声に驚いて振り向くと
ドアを蹴り倒したらしいマイクが
白い煙の中、仁王立ちにして立っていて
いらついたように私たちを睨み付けてる。


その姿はまるで
スモークの特殊効果の中現れた
戦隊物のヒーローみたいで
思わず吹き出して笑ってしまった。

ケイも私と同じ事を思ったらしく
安堵の表情を浮かべながら


「ククッ!お前遅いよ」


なんて悪態をついてる。


いきなり和らいだ部屋の空気の中
マイクは血だらけのケイの右腕と
手錠のついた私の左腕を見て
何故か全て察したようで


「あぁ、なるほどね」


と低く呟いて
スタスタと長い足を運び
こっちまで近づいて来た。

そうしてその勢いのまま
ベッドヘッドを蹴り始めると

ガンッガンッガンッ!
ガコンッ!

と大きな音を立てて
ケイがあんなに頑張っても
外れなかったそれが
呆気なく破壊されたのがわかった。


……嘘。


言葉を発せないぐらい驚いている私を
マイクは無表情で見下ろしながら
一言だけ言葉を発する。


「行くぞ」