「バカヤロウアキ
諦めるんじゃねーよ!
俺がお前を殺させるか!

……だからとりあえず
目つぶってろ!」


……え?
目ってどういう……?


彼に向けた私の視線
真っすぐに受け止めたケイは
ニヤリと一瞬笑みを見せた後

床の上に置いた右の掌、
そこに目掛けてブーツを履いた自分の足
思いっきり振り下ろした。


ヤダッ!


反射的に目をつぶった私の耳に
生理的に受け付けない音が聞こえてきて
さっきまでとは違う恐怖に
全身が包まれる。


「その目くり抜いてあげるから
目開けなさいよ!
あの人と同じ物を持つなんて
絶対に認めないわ!」


顎を掴まれ
興奮して叫ぶ母の声と共に
ナイフが迫ってくる気配。


頭の中が真っ白で
指一本さえ自分の意志で動かせない私。


もうだめだって思った瞬間
頭が温かな感覚に包まれたのと同時に
耳元で聞こえて来た
肉が裂けるような音……。

その後は――


ドカッ!


「キャア!!」