「……もう話疲れたわアキ
ここまでよ。
そもそも最初から間違いだったのよ。
あなたなんて生まなければよかった」

「……ッ!」


今まで散々無関心でいたくせに
今になってそんな事言わないでほしい。


せっかくヴィンスが
違うって言ってくれたのに。
愛の中で望まれて生まれてきたって
いってくれたのに……。

そんな風に今更
私の存在を根底から否定するような言葉
言わなくてもいいじゃない。


こんな人に負けなくないのに
悲しくて絶望して
文句の一つも言えないで

自分の意志ではどうにも出来ない涙
どんどん溢れてくる。


愛されたいなんて
そんな贅沢言ってないのに。

ただ一度、一度でいいから
抱きしめられたかっただけなのに……。

そんな小さな望みも叶えてくれない。


「だからね、
全部リセットするのよ」


静かに彼女がそう言った後
徐々に近づいてくるナイフの先。

それを真っすぐに見つめる私の耳に
さっきからずっと聞こえてくる金属音。


「クッソ、外れねえ!
テメエ!やめろって言ってんだろ!!」


もうダメだよケイ。

この人は何を言ってももうダメだ。


この人の壊れた感情直す言葉なんて
この世には存在しないから。


きっと私は殺される。

息を殺して生きていくのさえ
この人は許してくれないんだ。


――なんて勝手な人。


そうやって何もかも諦めて
涙で溢れた瞳ケイに向けて
彼に言葉を告げようとしたら――