「俺の目的は
あんな馬鹿げた約束する事でも
何でもない。

あの状況で出来るうる
1番強烈な言葉と映像で
アイツの固まった感情
揺り動かしたかった」

「………」

「アキは多分あの事件――
ケイと離れなきゃならなくなった
あの時から
壊れそうな自分の心守るために
いろんな感情閉じ込めんのが癖になってる。

喜怒哀楽全部我慢して
自分の回りに壁作って、
でもそんなの普通に考えておかしいだろ?
そんな生き方
不健康極まりない。

しかもケイが死んじまったのに
アイツは泣く事も出来ないで
まだ殻に閉じこもって
信じるもの失ってボロボロになってる。

だから怒りでも
悲しみでも何でもいいから
素直に感情出させたかった。

アイツの壁ぶっこわして
中に溜め込んでた毒
外に出してやりたかったんだ」

「……ケン」


コイツがそこまでアキの事
考えてくれてるなんて
驚き過ぎて
何も発っせないでいる俺に

ケンは少し目を伏せてから
ため息混じりに言葉を続けた。


「――でもまだ駄目だ。
俺が出来たのは
ちょっとつっついたぐらいで
まだまだアイツの殻
全然取り除けてない。

続きはお前の役目だ、ユウキ。
いい加減本当の事アキに話せ。
お前とケイの関係も
ケイの死の真相も。

いくらアイツの遺言でも
本当の事を知る権利
アキにはあるはずだろ」

「……わかってる
俺も時期をみてアイツに全部
話すつもりだった」

「本当か〜?

あまりにアイツの事大事過ぎて
アイツが立ち直れなかったら、
とかビビって話すタイミング
無意識に遅らせようとしてただろ?

大丈夫だよ
確かに色々ショックうけるだろうけど
きっとアキは乗り越えられる。
お前が側についててやればな」