「お前も大変だな。
ケイがあの調子じゃ男一人
まともにつくれないんじゃね?」

「そんなのいらないもん。
でもケイに
“お前はキスもHも
18までダメ”って言われた」

「うはっマジで?
アイツウケる。
自分の事は棚にあげてとは
まさにこれの事だな。

アイツが初めて女とやったのって確か……
ってやべえやべえ
こんなトップシークレットばらしたら
俺までアイツにヤラレルっつーの!」


耐え切れないって風にゲラゲラ笑う
フィルの様子を見てれば

きっとケイは
“相当早かった”っていうのが
自然にわかるから
何となく面白くなくて
口をつぼめてそっぽを向く。


風が大分強くなってきて
金髪の髪が顔にかかるのを押さえた。


「でもケイって凄く心配性?

今回の事にしても
普段の学校の送り迎えにしても

本当は私皆と同じように
スクールバスで十分なのに
家から送り迎えの車
わざわざよこしたりするし」

「それは違うよ」

「……え?」


私の会話遮るように
ヴィンスが少し鋭い声をあげたから
驚いて彼の方を向くと

ヴィンスはベンチの回りに転がってた
誰かのサッカーボール
座ったまま何回かリフティングして
それを止めたと思ったら
おもむろにまた口を開いた。