「ウン、そーゆー事。
つっても弟のイーライは
超バスケバカだし、
こんなのこじつけみたいなもんだよな?
ヴィンス」

「はは、確かに。
……もっとちゃんとした理由あげるなら
マイクのせいかな?

子供の頃アイツがはまって
試合とかテレビてみてんのに
みんな影響されたんだと思うよ」

「へぇ、マイクってギター以外にも
好きな物あったんだー。
って、ちょっと待って!
言いたいのはこんな事じゃなくて、」

「あ?どうしたアキ
んな焦って」


さっきのフィルの言葉から
思い出した事がある。

バカ過ぎる私、
何でもっと早く気がつかなかったんだろう。


「イーライ!
イーライは大丈夫だった?
ケイが会いに行くって、朝」

「ああ、その事か」


フィルは事情をすべて
知ってるような顔で私を見た後
ヴィンスと目を合わせて
何か意味があり気に笑い会った。


な、何その顔。
やっぱりケイ何かしたんだ。

怖くなって背中に嫌な汗が流れる。


「もしかしてケイ
イーライ殴ったとか?
怪我とかしてないよね?
試合ちゃんといけた?」

「俺の見た限りだと
顔に2発は確実にいってたな。

でもまあたいしたことねーだろうよ
鼻血ブーしながらも
アイツちゃんと試合に出掛けて行ったし」

「鼻血!?嘘。
……ひどいよケイ。
どうしよう私のせいだ」


真っ青になって
頭を抱えた私に対し
フィルは余裕そうな表情でニヤリと笑う。


「アキ、違うちがう。
こうなったのも全部
イーライの自業自得だ」

「自業自得って?
それにフィルも、
弟が殴られたら普通
相手に対して怒ったりしないの?」