マイクは私の言葉に対し
嬉しそうにニヤリと笑って
ナチュラルブラウンのギターを抱きしめた。


「そう、Gibsonのアコギ。
いつもの黒いのはエレキ」

「ぎぶそん?あこぎ?
えれき?」

「Gibsonはメーカーの名前。
あとはー説明すんのめんどくせぇ。
自分で調べろ」

「ケチ!
いいもんっ、ケイに後で聞くから」

「アイツはお前に甘すぎるかんな。
お前将来絶対ワガママ女になりそう」

「えーなんないよ!
……ねぇねぇ
そのギターの音凄い綺麗!
あの、さ、
私もギター、弾きたいなぁって?」


今までずっと思ってたけど
恥ずかしくて
なかなか言い出せなかった事を
思い切って打ち明けると

マイクは驚いたように
眼鏡の奥の瞳を少し大きくさせ
私の顔をマジマジと見た。


「だ、ダメならいいんだけど」

「足」

「へ?」

「ベンチの上に足上げて
あぐらかけ。
お前には結構重いと思うから」

「う、うんっ!」


高まる胸の鼓動を感じながら
カーキのオールインワンの
パンツを履いた足をベンチの上に乗せると

マイクがゆっくりとギターを
私の足の上に置いた。


ウン、やっぱり私には重いし大分大きい。
――でも、良くわかんないけど
スッゴい嬉しくってドキドキする。