「……そういえば
部屋に連れて来てくれたの
初めてじゃない?」

「――そうだっけ?
よく覚えてない」

「そうよぉ!
いつもはぐらかしてばっかりだったもの」

「んなのどうでもいーよ」

「え〜。
……フフ、こんなの
キミーが知ったら大変だろうなぁ」

「何で?
別にアイツは関係ないだろ?」

「でも彼女ケイと
付き合ってるつもりよ?」

「は?俺は誰とも付き合ってねーよ。
……つーかさ、
お喋りすんのが目的ならさっさと帰れ」

「やだぁ
そんなイジワル言わないでよ」


そう囁き合いながら
ベッドになだれ込む男女。


…………。


――な、何これ!?
ケイのバカ!信じられないっ!


“コレ”がどういう行為なのか
知識としては知ってる。

クラスメイトで仲のいいローラには
年の離れたお姉さんがいて
その影響で知識が豊富な彼女が
色々と私に教えてくれるから。


加えて偶然にも
ローラの姉はケイと同級生で
普段のケイの行いも
イロイロと耳に入ってきて。

――何て言うか
相当女の人との
“そーゆう関係”が激しいとか。


そんなの信じたくなかったけど
たまに家でケイが連れて来た女の人と
すれ違ったりするし
しかもいつも違う人だったりするから

やっぱりケイはそうなんだって
諦めるようにはなったけど
こんな風に直接
現場を見る事になるなんて。


女の人と一緒にいる時のケイは
いつもの彼とまるっきり違う。

顔付きも言葉遣いも
何だか妙に男の人で――嫌いだ。