そう叫び声を上げた二人は
床にへたりこむ私にやっと気付いて
ダッシュでこっちに駆け寄って来た。


わ、わあ!やだー!
なんかちょっと怖い。


彼らの騒がしさに
すっかり怖じけずいた私は
ビクビクしながら彼らを見上げると

左側にいた
ダークブラウンの短髪と
同じくダークブラウンの瞳の男の子が

私の目線の高さまでしゃがみ込んで
大きな瞳をキラキラ輝かせながら
ニッコリと微笑んだ。


「初めまして、君が噂のアキか
ケイに君の話しを聞いて
凄く会うのを楽しみにしてたんだ。
思った通りかわいくて
それにケイによく似てる。

俺はヴィンス
ケイとは同級生なんだ。
よろしくねアキ」


そのやんちゃっぽい笑顔に
何故かすぐに警戒心が無くなって

差し出された彼の左手に
オズオズと手を差し出すと
触れる直前にフワリと身体を宙に舞った。


「ひゃあ!」

「イェー!
すっげーマジで日本人だ〜
かっわいーぃ!
俺日本映画大好きなんだよね〜
あと服とか〜。

俺フィルね、ヨロシクー
ケイにいじめられたら俺に言えよ。

つかケイずりーぃな
こんな妹なら俺も欲しい!
うちの弟と交換しねえ?」


そう言って私を持ち上げたフィルは
黒髪ドレッドヘアに
所々金髪のメッシュが入ってて
茶色の瞳、
そして左眉の下にピアスをしてる。

かなり悪ガキっぽい風貌で
一見怖そうだけど
笑うととたんに親しみやすくなる。


そんな笑顔を振り撒きながらも
クルクル私を回し続けてるから


「ちょっと待って!
目が回る〜〜!」

「おお、声までかわいい
たどたどしいのもなんかそそんな?」

「……オイ!
フィルいつまでアキにさわってんだよ?
いいかげんさっさと壁塗れ!」