やっと言えた…




「…何で?」






低くて、冷たい声が
私の心に刺さる





「…もう、辛いの。私、限界なのよ…」



貴方は
不機嫌そうな顔で
私を睨んだ





「…ふーん。分かった。さよなら」




「…さよなら」





床に置いてあったカバンを勢いよく持って


急いで、部屋を出た





こんな時でも
貴方は私を追いかけてはくれないのね…






家に帰って来た


服から
また、あの匂いがする





涙が
溢れてきた


でも、清々しい気持ち。「…これで…良かったのよ…」
泣きながら、そう思った









私の恋は
煙のように
一瞬で
消えてしまった。



―END―