いつも通り
貴方の家に行く私。



でも、今日が最後


最後にしなきゃいけない


何回も、同じ道を通って
同じ道を帰って来た。



緑の多い公園を通って
目の前にある大きな
マンションに
貴方は住んでいる



「ふうっ…」


息を軽く吐いて
インターホンを押す



…指が、震えてる



「ピンポーン」





「…どうぞ」



貴方はいつも一言
「…どうぞ」
これしか言わない。





20階建てのマンション
貴方は、11階



エレベーターで11階へ



ドアの前に来てしまった


「…ガチャ…」



無言で部屋の中へ