主は口をあんぐりしている。

くっ、やはりもう脅すしかないか…

「そう、これ!これが欲しかったのですよ!」

「えーっ!」

「ん?」

「…いや、ゴホン。旦那様があまりにもお喜びになるもので、ゴホン。私もつい嬉しくて。」

マジかよ。おいマジかよ。まさか、欲しかったのよパート2がここで来るとは。フリで薄々わかってたけど、マジかよ。もしかして俺ってすんげぇツイてるんじゃねぇ?ともかくこれで、大逆転じゃあー!

「それではお代は…」

「そうだ!わざわざ御越し頂いたのですから、私もお気持ちを何か、形で返さねばなりませんな。」

いや、いやいや。
形はあかん。もうキャッシュで!ここはキャッシュでこないと!
交換はもううんざりだって。

「あの、出来れば代金で頂きたいのですが。」

おい、オヤジよ。さっさと金払えよ。

「うーん…よし、あれがいいな!」

人の話をきけっー!

なんなのこのオヤジのシカトっぷり。このオヤジの遮りっぷりなんなのこれ?

「本当は私も手放したくないのですが…」

うん、いいよ手放さなくて。そうじゃなくて、お金を払えばいいと思うな。

「私の右腕とも言える程の財産でして…」