僕の問いに、

彼女は起き上がり

答えた。



「そのままの意味よ…
だって颯人…
私に何かあったら
耐えられないでしょ?
私のせいで苦しんだり、
悲しんだりする
颯人を見たくなかった…
だから…」



涙を拭いながら

話す彼女の言葉が、

僕の心の奥底まで

突き刺さった…



図星だった…



彼女が姿を

消しただけで、

あんなにも…



それを思うと、

自分でも想像がついた。



しかし、

そこまで僕のことを

理解しているなら、

今のことも…



「ごめんな茉莉…
確かに茉莉の言う通り
だと思う…
けど、
そこまで僕のこと
わかってるなら、
僕がそう簡単に
諦めないことも
わかってただろ?」



僕は茉莉に顔を近づけ

聞いた。



すると彼女は

鼻をすすり言った。



「うん…
なんとなくそんな
気もしてた…
でも…予想してた
よりは遅かったかな…」



口角を上げ

微笑む彼女を、

僕は抱きしめた。



「結局僕からは
逃げられないんだよ…
もう、
無駄な抵抗はしないで
傍にいさせて…」



僕の言葉に、

彼女は抱き締める

ことで応えてくれた…



今は、

しばらくこうしていよう…



強く締めつける

彼女の腕が解けるまで…