久しぶりに会っても

結局いつもとかわらない

デートパターンになって

しまった。


いつものファミレス、

いつものカラオケ店、

いつもの公園。



またか…

と思いながらも、

それで安心感を感じている

自分もいる。



「結局またいつもと
同じデートだったね」

彼女のこのセリフも
いつも同じだ。

「うん…
ほんとによく飽きない
よな俺達」


そしてこの僕のセリフも、
いつも同じだ。


お互いそれはよく

わかっている…


わかりながらも、

こうした会話を

楽しんでいる。



こんなにも

ワンパターンな、

つまらない空気感は、

きっと彼女としか

成り立たないだろうと

いつも思う。



そんないつも通りの

１日が終わりを迎える、

駅の改札の手前で、

また彼女に異変が

起きた。


脚がもつれるように、

倒れてきた…


僕はなんとか彼女を掴み、

体を支えた。



「茉莉？大丈夫か？」

「うん…ちょっと脚が
もつれちゃった。
ゴメンねぇ」

「ちょっと座ろう」



僕は彼女を椅子に

座らせた。



脚を揉む彼女の顔を

覗き込み、

彼女に聞いた。



「茉莉、やっぱり体調が
悪いんじゃない？」


すると彼女は、

顔の前で

大きく手を横に振り、


「ほんとに大丈夫だって。
きっとはしゃぎ過ぎて、
疲れたんだよ」


と言い、笑ってみせた。


そして、

しばらく休んだ後、

念のため彼女を家まで

送って行き、

家路についた。