一組目が終わり二組目だ。
尚志達が出てきた。
一組目よりも歓声は大きく、
思わず周りを
見渡してしまった。
「おい良樹…
なんか尚志達すごいな。
こんなに人気あるんだ」
「あぁ…
俺も驚いたよ…
颯人…
俺たちもバンド
組もうか?」
「馬鹿っ!!
こんなの興味ねえよ」
僕は冗談だとわかりながらも、
あえて話に付き合わず、
話を終わらせた。
と言うよりは
話をできる状況ではなかった。
尚志の担当はギターで、
ソロの所が一番の
見せ場らしい。
パフォーマンスが
派手だからなのか、
ギターが上手いからなのかは
僕にはわからないが
ギターソロが一番
盛り上がっていたように
感じた。
尚志達が終わり
引き上げていった。
そしていよいよ最後の
三番目だ。
やはり僕は帰りたかった…
馴れない大音量に
人の熱気、かなり疲れていた。
周りを見渡したが
とても出口まで人をかき分けて
行けそうになかった。
だが…
こんな考えも
ここまでだった…