「ねぇ…私の事…どう思う?」


「えっ!…どう…って?」



僕は少し焦った!

何だか体が熱くなってきた…



彼女は黙って正面を

向き揺れたままだ…



「どうって…
凄いカッコイイと思うよ!?
クールな感じで…
まぁステージ以外の
茉莉さんは…
ちょっと子供っぽいと言うか…ワガママと言うか…
でも自由でいいと思うよ!」



僕はそう言い彼女の

顔色をうかがった…



彼女は変わらずの

姿勢のまま…



「そうだよね…
カッコイイんだよね
ステージの私は…
うん!
クールでカッコイイんだよ!」


そう言うと彼女は

少し黙り

また話し出した…



「でもね…
今のステージのマリは…
本当の私じゃないんだよね…
でも…
今のバンドを応援してくれる
人達もいる…
だからその期待に
応えなきゃって
思うんだけど…
最近どうもダメなんだよね…」


そう言うと彼女は

ブランコを勢いよくこいだ…



僕は彼女の

今までにない

真剣な眼差しに

強くて儚いものを感じた…



僕は

今自分が言える

精一杯の言葉を伝えた…