「あの…茉莉さん
この店はよく来るんですか？
なんか常連って感じ
ですよね？」



彼女はテーブルのメニューに

手を伸ばしながら

さらっと答える



「うん！よく来るよ〜１人で」


「えっ？１人…で？」



僕は驚き聞き返して

しまった…



「うん！１人で…
えっ！なんか変かな？」



平然と答える彼女に思わず


「いっいえ！…別に…
僕もたまに行きますよ…
１人で…」


っと答えてしまった…


本当は十分変だと思った！

しかも僕は１人で焼肉なんて

行った事もない…

内心そう思いながらも

そう言えないのは…

彼女に嫌われたくないから…

嘘までついたのは

気が合うと思われたいからか？
なんか小さい男だなぁ…




そんな事を考えてると



「適当に頼んじゃうよ〜？」


と言い彼女はテキパキと

注文を始めた！




あっ！！ヤバい…
尚志に連絡してない！



僕は机の下に携帯を隠しながら
尚志にメールを打った！


〔尚志ゴメン！
今日は都合が悪くなったから
また今度飯食おう！
ほんとにスマン！〕


たぶん今頃はライブの終盤…

きっと怒るだろうなぁ…



送信ボタンを押し

顔を上げると

彼女がこっちを見つめていた！


「あっ！ごっごめん！
ちょっとメールが届いた
みたいだったから…」



彼女は僕の目をジッと

見つめたまま



「ふ〜ん…彼女？」


と聞いてきた！



僕は無駄に焦りながら

答えた！



「違う違う！
彼女とかいませんから！
最近はずっと！」



彼女はそんな僕を見て

楽しんでいる様に見えた…



いや！絶対に楽しんでいる！


そんな彼女に遊ばれている

ような会話をしていると

テーブルに大量の肉が

運ばれてきた！



これ…頼みすぎだろ！



そんな僕の心の叫びは

届くはずもなく…



彼女はどんどん焼き始める…