頬杖をついて、ただぼんやりと黒板を眺めているあたしの瞳の端で、控えめに動いた肌色。
ザワッ と、小さなどよめきを起こす教室。
その原因が分かった瞬間
ドキンと跳ねる、あたしの心臓。
「え。 イキナリどーした、奏?」
「まじかよ~。奏~なんで手挙げんだよぉ~。」
祐樹と、意外な展開に少し焦った図書委員長が、声を張り上げる。
どよめきを起こした張本人の蒼井は
「えーえー なにこの雰囲気~」
なんて笑ってた。
どーしよ。すごく嬉しい。
同じ委員会だったら、今よりもっと蒼井と一緒にいられる。
もっともっと、近付ける。
蒼井がいい。
蒼井と、一緒にやりたい。