「藤本君は丁寧にCD扱ってくれるんだよね。
他の人は傷入れてくれるし。」
「あ、そっか。」
あはは、と力なく笑った。
CDを丁寧に扱うのは
好きな子の持ち物なら当然だ。
「きれいなまま返ってくるのって
意外となかなか無いんだよ。」
「どうも。」
顔はポーカーフェイスだが
内心がっかりしていた。
特別ってわけじゃないんだ…
「CDの扱いって人が分かるよね。」
え?
「いい人はきれいに扱ってくれるし、
きれいに扱ってくれる人はいい人だった。
今のところ。」
東美紀はにっこり笑った。
やっぱり期待しちゃってもいいですか?
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