安田優太。
ノートを持ってくれ、
加奈子が恋をした男子の名前。
恋をしただけで
加奈子は周りが明るく見えた。
すぐに百合は
加奈子の恋を見抜いた。
「加奈子!恋したなー?!」
百合がいつもの笑い方で
近づいてくる。
「…わかる?」
加奈子は少しショックだった。
顔に出てるなんて…
「分かる分かるー。
なんか周りに花が咲いている。」
なんだそりゃ、と
加奈子は思った。
時々百合は不思議な
例えをすることがある。
「生き生きしている。」
百合は言った。
そうなのかな、と
加奈子は思いながら
また安田優太を眺め始めた。