たった数分の会話で
隆也は東美紀について
いろんな事を知った。



テニス部に入っていること、
同じミュージシャンが好きなこと、
住んでいる所、
好きな教科………






駅から家までは
あっという間に感じた。







家に帰って
部屋でくつろいでいると、
何かと東美紀の会話を
思い出しては
にやけていた。




これが恋かあ、

なんて思っていながら
携帯電話を見つめていた。



『メールだけでもしてみろよ。』


一輝の言った事を思い出す。





メアドを聞かなかった事と

あんな出来事だけで
好きになってしまった事に
苦笑した。





それでも隆也の心は
うきうきしていた。