滝次様に桃を頂いた日から
また普通の生活をしていたところに…
今度は和成様の遣いの人がやって来た
彪牙城に呼ばれた私は
訳もわからず連れられて行った
大きな広間へ通された
すると和成様と滝次様が
豪華な料理に囲まれて座っていらっしゃる
どうやらお二人の宴会に呼んで頂いたようだ
「本当に、
このような楽しい宴会にお招き頂きありがとうございます」
私が頭を下げると
「龍には椿を会わしたくない」
和成様が言った
“りゅう”って…誰だろ
「あいつには絶対会わすな」
滝次様が低い声で言う
何か…滝次様の雰囲気が怖い
と、その時
ドカドカドカ
「誰を会わしたくないって?」
「「龍!!」」
和成様と滝次様が驚いて大きな声を上げた
入って来たのは
いかにも侍と言わんばかりの男
「へぇー…見ねぇ顔だな、お前。名前は?」