案の定
椿はかなりびっくりしたみたいだが
「本当にありがとうございます」
そう言って俺に満面の笑みを向ける
やべぇな…
「今、時間あるか?」
「えっ?はっ、はい
大丈夫です」
思わず俺は椿を連れ出していた
向かった場所は
いつもの場所
少し小高い丘
「ここでこーやって転がって昼寝すんだよ」
俺はどかっと原っぱに寝転がった
すると―…
すっと椿も横に寝転がった
「私もご一緒させて頂きます」
にこっと微笑む椿
俺はこの瞬間確信した
“この女だ”
「こーやって転がって昼寝すると
城で息詰まるのも少しは楽になるんだよ」
「あんなご立派なお城でも息詰まるんですね」
「城だから息詰まるんだ」
「若殿様も大変なのですね
息抜きなら、いつでもお供しますよ」
微笑む椿
俺は目を閉じて考えた
こいつを嫁にしたらどーなるか