「みて,みつあみ。可愛いでしょ」

と笑いながら,小山大が
茶色い群がある短い髪を,
少しだけみつあみにして,
あたしに見せてくる。

「これみつあみなの?くずれてるよ」

そっけなくあたしが言うと

「まじで?やっぱ俺ロン毛にしようかな」

とふざけて笑う。

「えー,それはやめたほうがいいよ」

「じゃあ坊主?」

真面目な顔で聞いてくるので,
あたしは思わず笑ってしまった。

「おい,静かにしろー」

先生があたしたちに向かって窘める。

無駄でくだらない会話。
それでも,無表情で授業を聞いている(のかは疑問だけど)よりは,
ずっと意味があるように思う。