ふと、周りを見るとそこは
今まで出たくてしょうがなかった外の世界だった。

外の世界は思ったよりもうるさくて、
余計に怖くなった。

僕の耳に雑音が入る。
思っていたのとは違う外の世界。
壁にも、窓にも守られていない僕。
外の世界は想像していた楽しいものではなく、
僕にとっては[恐怖]そのものだった。

僕は暴れるのをやめた。
恐怖で体が凍りつくようだった。
目の前にはたくさんの人…
人…
人…

頭が真っ白になった。
『もうあの人には会えない』
そう思った。
“絶望”
“恐怖”
僕の中にはその二つが渦巻いていた。




ふと、後ろに視線を感じて後ろを見た。


後ろを見るとあの人がいた。
僕が会いたがっていた女の人だ。

なにがなんだかわからなかった。

やさしい眼差しに
僕は助けを求めて女の人に抱きついた。

その女の人は僕を優しく撫でてくれた。
その手は温かくて、優しくて何故かわかんないけど、とっても落ち着く手だった。

今までの恐怖が嘘のようになくなっていった。
僕を撫でる魔法のような手…。

その手は恐怖の世界を幸せな世界へ連れて行ってくれた。

なんだか、落ち着いたら眠くなってきた。

寝ちゃいけないと思いながらも、僕は夢の中へ落ちていった。