怖そうな男の人は三洋くん。
この家で一番偉くて強いんだって。

坊主頭の若い男の人は将一君。
明美ちゃんの子供なんだって。

その横に座っているのは杏里ちゃん。
将一君の彼女で半同棲しているらしい。

明美ちゃんは嬉しそうにみんなのことを話した。
そして
『もう、お父さんは勝手なんだからぁ。
お前はどこから来たの?お家はどこ?
飼い主心配してるだろうな』
と話していた。
僕はそれに答えることが出来なかった。
自分のお家と言える場所がわからなかった。

明美ちゃんになでられながら考えていた。
僕の場所は玄関になった。
綱が繋がれて、玄関に座っていた。
明美ちゃんは
『狭くてごめんね。猫がいるから家の中には入れてあげられないの』
って謝ってたけど、
あの暗くて一人で生活してたことを思ったら、玄関でも、
狭くても何でもよかった。

こうして、僕はミーが言っていた家に
来ることが出来た。