車の中で若い男の人は
『俺、知らない。
お母さんに怒られるからね』
と言っていた。

すると怖そうな男の人は
笑いながら
『大丈夫だって。お母さん犬好きだから。
それに頭よさそうだしな』
といった。

連れてこられたのは、
この人たちのであろうお家だった。

そこにはお母さんと呼ばれる女の人がいた。
もう一人、杏里と言われているお姉さん。

お母さんと言われている人は、
明美って言う名前らしい。
怖そうな男の人がそう呼んでいた。

家に着くなり、なぜかインターホンを押す男の人。
インターホン越しの声に向かって、
『明美、お土産持ってきたから外に来い』
と言っていた。
この人も口が悪い…
ミーの口の悪さはこの人の影響だな。
そう思いながら男の人の横に座っていた。

出てきた女の人は、
『何?犬?なんで連れてきたの。
うちにはもう3匹も猫いるんだよ。』
そう文句をいいながら怒っていた。

そんな女の人を見て男の人は
笑いながら
『脱走した犬だってゆうから、連れてきっちまった。
飼い主見つかるまで預かるから』
とまた軽い口調でそう言った。

それに呆れたように女の人は口を開いた。
『しょうがないなぁ。お父さんは。
今綱とか買ってくるから』
そう言い残し、どこかに出かけた。
待っている間僕は広い庭で遊んでいた。
家の中にはみんな集まっていて話をしていた。
すぐに明美ちゃんが帰ってきた。
帰ってくると僕に新しい首輪と綱をつけてくれた。

明美ちゃんはすごく嬉しそうな顔をしていた。
そして、家の中で話している人たちを
指さして一人ずつ名前を教えてくれた。