僕がこの家に来たのは今から4年前。

四年前の僕は
小さな檻の中にいた。

やっと動けるくらいの
小さな檻の中…。

窓の外には
毎日たくさんの人達が…
笑いながら通り過ぎていく。

『外は楽しそうだな』

ここから出たら
自分もあんな風に楽しめるような気がして、
一人ぼっちが嫌で
何度も何度も
『出して』
って叫んだ。

逃げ出そうとした。

でも、逃げ出そうとしてもすぐに捕まってしまう。
すぐに檻に戻されてしまうんだ。
ここの警備は厳重で外には出られない。
何回も試してみたけれど…。

だから、もぅ外に出るのは諦めたんだ。


ここにはいつもご飯をくれるおじちゃんがいる。

おじちゃんは毎日同じ時間に僕にご飯をくれる。

その一瞬だけ、檻の扉が開いて、外に出た気分になれるんだ。